2026.09.30
陸屋根(フラットな屋根)やビル・マンションの屋上は、傾斜がある一般的な屋根と比べて水が溜まりやすく、防水機能の低下が即雨漏りへと直結しやすい場所です。お住まいや所有物件の雨漏りを防ぎ、建物を長持ちさせるためには、屋上防水の種類とそれぞれの特性を正しく理解しておくことが欠かせません…

旭市にお住まいのお客様より、「しばらく前から雨漏りを起こしておりクロスが剥がれ黒ずみも見られる」とご相談をいただきました。
室内に症状が出ていると、どこから水が入っているのか分からず、次の雨が来るたびに気持ちが落ち着かなくなるものです。
特にベランダは日常的に目に入る一方で、防水層の内部は劣化に気づきにくく、気づいた時には被害が広がっているケースも少なくありません。
そこで現地の状況を見極め、雨水の侵入口となりうる箇所を整理したうえで、適した防水工事を行う方針としました。





天井と壁の取り合い付近に黒ずみが見られ、雨水の影響が室内側に及んでいる状態でした。
クロスの浮きや剥がれにつながりやすい箇所で、「内部で水が動いている」可能性を示すサインです。
まずは被害状況を確認し、外部側の防水状態と関連づけて検討しました。
ベランダ床面には複数のクラックが走り、表面の劣化も進んでいました。
防水層に割れが生じると、雨水がその隙間から入り込みやすくなり、下地へ水分が滞留する要因になります。
さらに、室外機の設置があるため、点検や施工の際は機器周りを傷つけない配慮も欠かせません。
床面全体の状態から、単純な上塗りだけではなく、下地状況を踏まえた工法選定が重要だと判断しました。
クラックの一部ではひび割れが深く、下地が露出している箇所も確認できました。
こうした状態では、雨が降った際に水が集中的に入り込み、漏水につながります。
表面だけを整えても内部の湿気が抜けず、施工後に膨れが起こるリスクも懸念されるため、下地の状態に左右されにくい改修方法が求められます。
そのため今回は、通気の逃げ道を確保できる絶縁工法を軸に計画しました。
ひび割れを補修後、まず床面の下地調整として樹脂モルタルを用い、凹凸や不陸を整えていきました。
防水は塗布前の下地づくりが仕上がりを左右し、ここが甘いと膜厚が不均一になり耐久性にも影響します。
職人は歩行や排水を意識しながら面を整え、次工程の材料が安定して密着する状態に仕上げました。
下地が整うほど後の工程もスムーズになり、仕上がりの安定にもつながります。
続いて下地と次工程の密着性を高めるため、プライマーを塗布しました。
ローラーで均一に広げ、塗りムラが出ないよう手元の圧や動作を調整しながら進めています。
新築や劣化が軽微な場合はウレタンを直接塗布する密着工法も選べます。
ですが、雨漏りしている場合は、下地に水分が残っている可能性があり、膨れの原因となります。
そのため今回は、絶縁工法へつなげるための下準備として丁寧に塗布しました。
プライマーの後は、通気緩衝シートを敷設し、下地と防水層が完全に密着しない逃げをつくりました。
細かな孔を持つシートを用いることで、下地に残る水分や水蒸気の逃げ道を確保し、防水層の膨れやしわを抑えます。
ベランダのように日射による温度変化が大きい場所では、内部の水分が動きやすく、通気の考え方が有効です。
施工中も端部の納まりを意識しながら、シートが浮かないよう手順を確認しつつ施工しました。
通気緩衝層の準備が整った段階で、ウレタン防水材を塗布し、防水層を均一に形成していきます。
ウレタンは液状から硬化して膜をつくるため、膜厚の確保が重要となり、職人は塗り広げる速度や材料の配分を微調整しながら仕上げました。
立ち上がりから平場へと順序を守って作業し、雨水が溜まりやすい端部にも注意を払いながら施工しています。
最後にトップコートを塗布し、紫外線や摩耗による劣化からウレタン防水層を保護しました。
防水層自体は優れた性能を持ちますが、表面保護がないと劣化が早まりやすいため、トップコートは耐久性を左右する重要な工程です。
塗りムラが出やすい広い面でも均一な光沢感が出るよう、ローラーの動きを整えながら丁寧に施工しました。
仕上がりが落ち着いた色調となることで、見た目の安定感も一段と増していきます。
今回の旭市での工事では、雨漏りの症状と床面のクラックを踏まえ、絶縁工法によるウレタン塗膜防水で下地の影響を受けにくい防水層を施工しました。
施工後は床面がすっきりと整い、クラックも目立ちにくくなったことで、ベランダ全体の印象が大きく改善されています。
雨漏りは「どこから入ったのか」が分かりづらいからこそ、工法選定と下地づくりが再発防止の鍵を握ります。
ベランダの雨漏りや防水の劣化が気になる方は、どうぞお気軽に街の屋根やさんへご相談ください。
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