2026.07.20
粘土で作られた瓦(和瓦・洋瓦)は「50年以上持つ」と言われるほど非常に高耐久な屋根材です。しかし、その瓦の下に敷かれている「防水シート(ルーフィング)」の寿命は、実は20年〜30年ほど。瓦が無事でも、中のシートが破れていればお住まいは簡単に雨漏りしてしまいます。 今回は、瓦屋根に…

千葉市美浜区真砂のアパートを管理されているオーナー様から「雨漏りが発生して困っているため補修を急ぎたい」というご相談をいただきました。
お話を伺うと、築35年ほどで、和室の天井から水が回っているとのことで、内装工事中に雨染みが見つかった流れだったそうです。
雨漏りは放置すると下地の腐食を進め、二次被害としてシロアリなどのリスクも高まるため、早い段階での原因特定と対処が重要になります。
そこで今回は、今後解体予定もあると伺ったため、全面改修ではなく雨漏り箇所を中心に部分的な葺き直し工事をご提案しました。





和室の天井には雨漏りの跡が確認でき、木目調の天井材にシミが残っていました。
仕上げ材の下地がべニアの構成のため、水分を吸うと傷みが進みやすい点が気掛かりです。
雨水は一度回り始めると乾きにくい場所に滞留し、見た目以上に内部が劣化しているケースもあります。
まずは室内側の状況から、屋根側で水が入り込む経路がある前提で調査を進めました。
屋根材は瓦で、表面は年数相応の風化が見られました。
特に棟部分は漆喰が劣化して崩れが出ており、雨水や風の影響を受けやすい状態です。
棟は屋根の頂部で雨仕舞の要となるため、ここが弱ると内部への浸水リスクが高まります。
瓦は丈夫でも、周辺部材の傷みが雨漏りの引き金になることを改めて確認しました。
雨漏りが疑われる位置の瓦をずらして内部を確認すると、防水紙の劣化や傷みが進んでいました。
防水紙は瓦の下で最終的に雨水を受け止めて流す役割があり、ここに傷みや穴が生じると雨水が室内側へ回りやすくなります。
瓦屋根は耐用年数の長さからメンテナンスが後回しになりがちですが、防水紙や漆喰などは定期点検が欠かせません。
今回の雨漏りは、こうした下葺き材の性能低下が大きな要因と判断しました。
葺き直しは、既存の瓦を一度下ろして下地を整え、同じ瓦を戻す工事です。
今回は雨漏り箇所に絞った部分施工のため、周囲との納まりも意識しながら範囲を定めて作業に入りました。
撤去後の屋根面が見える状態になり、瓦の下には昔ながらの下地が広く現れています。
再利用が前提なので、職人が割れや欠けを起こさないよう手順を揃え、慎重に扱うことが安心につながります。
下地を確認しながら防水紙を新しく敷設し、上から瓦を引っ掛けるための瓦桟も新設しました。
防水紙は軒側から棟側へ重ねていくことで、水が流れる方向に逆らわない納め方になります。
瓦桟が揃うと瓦の座りが安定し、段差や浮きの予防にも効果的です。
見えない部分の更新こそ雨漏り対策の核心であり、オーナー様にも「ここまで直すなら安心」と感じていただけるポイントになりました。
新しい下葺きと桟が整ったら、撤去していた瓦を屋根面に戻していきます。
長年の使用で瓦にはわずかな癖が出るため、ただ並べるだけでは段差が残ることがあります。
そこで一枚ずつ状態を見ながら、きれいに水が流れる面を作るよう調整を重ねました。
作業中の屋根面には瓦を置きながら進める様子もあり、手順を整理して動線を確保するのが職人の工夫です。
棟部分は、内部の土台が見える状態となり、古い材料が露出していました。
今回は土に代えて南蛮漆喰のシルガードを使用し、棟の土台を形成して熨斗瓦を積み直しています。
さらに、固定方法も外側からの銅線固定ではなく、棟の内側に銅線を通す納め方へ変更しました。
見た目を整えるだけでなく、固定力と耐久性に配慮した組み立てとして、再発防止を意識した工程です。
最後に冠瓦を納め、銅線でしっかり固定して棟の仕上げを行いました。
棟は風の影響を受けやすい部位のため、動きや浮きが出ないよう締結の具合を確認しながら整えています。
瓦のラインが揃うと屋根全体の印象も引き締まり、手直し感のない自然な仕上がりになります。
雨漏り箇所への部分葺き直しが完了し、オーナー様にとっても「急ぎの課題が解消できた」という安心につながりました。
千葉市美浜区真砂のアパートで発生した雨漏りに対し、原因となっていた防水紙の劣化と棟まわりの傷みを踏まえて、瓦の部分葺き直し工事で改善しました。
瓦を再利用しつつ下地を更新することで、必要な範囲に的を絞りながら雨仕舞の性能を回復できた形です。
工事後は棟の納まりも整い、雨水の侵入経路を断てたことで再発リスクの低減にもつながりました。
屋根からの雨漏りや瓦屋根の不安がある場合は、街の屋根やさんまでお気軽にご相談ください。
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