2026.08.23






寄棟屋根は、全体として色あせが進んでいました。
日射や雨風にさらされ続ける屋根は、同じ築年数でも環境で傷み方が変わりやすく、表面の退色は劣化のサインです。
屋根全体のコンディションを把握することで、部分補修ではなく今後を見据えた工法選定につながります。
お客様にも現状を共有し、どの程度の更新が必要かイメージできるように整理しました。
屋根材の表面が波打つように浮き、ところどころで層がめくれている状態が見受けられました。
パミールは表面剥離が進行すると、割れや欠けだけでなく層間が開いて雨水の影響を受けやすくなる点が注意点です。
特に重なり部分に不整が出てくると、見た目の問題だけでなく、雨仕舞いの面でも不安が残ります。
塗装で表面を覆っても下地側の脆弱さが残るため、根本的な対策としてはカバーや葺き替えが現実的です。
剥離箇所を近くで確認すると、表面だけでなく複数層が重なるように剥がれており、ミルフィーユ状に層が分かれている状態でした。
層間剥離が始まると、そこから進行していくことが多く、局所補修では追いつきにくいのが厄介なところです。
こうした症状が出ている場合、塗膜を形成しても屋根材自体の動きや欠損の影響を受け、長期的な耐久性を維持しづらくなります。
お客様が気にされていた「既存屋根を残して大丈夫か」という点については、状態と工法の相性を踏まえ、カバー工法で成立する理由を分かりやすくお伝えしました。
工事では、まず棟部分の板金とその下地である貫板を撤去し、カバー工事に向けた下準備を進めました。
棟は風の影響を受けやすく、また雨水が集まる屋根の要所でもあるため、適切な下地処理を行ったうえで施工することが、仕上がりの安心感につながります。
職人は既存屋根を大きく傷めないよう手順を整えながら作業を進め、次工程の防水層が適切に施工できる状態を整えていきました。
屋根面には新しいルーフィングを敷設し、防水層を作り直しました。
ルーフィングは屋根材の下で雨水を止める重要な層で、カバー工法の品質を左右する要となります。
この工程では、シートがたるまないよう面を整えながら張り進め、重なり幅を均一に整えることで、雨水がスムーズに流れるよう配慮しました。
防水層の上に、自然石粒仕上げのディプロマットスターを敷設し、屋根面が重厚感のある落ち着いた印象に仕上がりました。
石粒の質感は落ち着いた高級感があり、近隣の屋根並びの中でも上品に馴染みやすいのが特徴です。
この工程では、屋根面のラインが乱れないように納まりを揃え、見た目の美しさと機能性の両方に配慮しながら施工しました。
完成後の屋根はフラットに見えつつも陰影が出て、見た目の満足度が高い仕上がりになっています。
棟部分には換気部材を組み込み、あわせて樹脂製の貫板を設置しました。
棟換気は屋根裏の熱や湿気の逃げ道を確保する考え方で、住まいの環境づくりに一役買う部材です。
そして、樹脂製の貫板は木製に比べて水分の影響を受けにくく、棟の下地として安定感を期待できます。
部材同士の取り合いが多い工程だからこそ、職人が寸法と納まりを確認しながら進めることで、全体の納まりが整った美しい仕上がりとなりました。
最後に棟板金を被せ、ビスで確実に固定していきます。
棟板金同士のつなぎ目にはコーキングで防水処理を施し、雨水が入り込みやすいポイントを塞ぎました。
棟は風圧の影響も受けるため、固定の確実性と防水性の両立が重要で、ここを適切に施工することが住まい全体の安心感につながります。
仕上げ段階では屋根面の通りも確認し、見た目と納まりのバランスを取りながら完成へ導きました。
パミール特有の層状剥離が進んでいたお住まいは、屋根カバー工法で防水層を新設し、ディプロマットスターで屋根を刷新することで、雨仕舞いと意匠性を同時に整えました。
既存屋根を残したまま施工することに不安もありましたが、要所である棟まわりの下地から見直し、換気部材や樹脂製貫板を組み合わせることで、今後も安心してお過ごしいただける仕様となっています。
工事後は屋根の表情が落ち着き、全体が引き締まった印象となり、住まいの外観も大きく向上しました。
パミールの剥離や屋根のメンテナンス時期で悩んでいる方は、街の屋根やさんまでお気軽にご相談ください。
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