2026.07.18
屋根の点検で「貫板が傷んでいます」と言われても、どこの部材なのか分かりにくいですよね。スレート屋根や金属屋根の頂点に被せられている金属のカバー「棟板金(むねばんきん)」。その板金を下からガッチリと支え、屋根に固定するために絶対に欠かせないのが「貫板(ぬきいた)」と呼ばれる下地材で…

千葉市美浜区高浜在住のお客様から、「棟板金が剥がれているように見えるので補修してほしい」とのご相談頂いた事が工事のきっかけです。
現時点では雨漏りは起きていないものの、屋根の上は日常的に確認しづらく、見た目の変化だけでも心配が募るとのことでした。
さらに、屋根のメンテナンスを10年以上行っていない点も気がかりで、「このまま放置して大丈夫か」を確かめたいお気持ちが強かったようです。
屋根は外壁と同様、約10年を目安に点検と手入れを重ねていくことで、急な不具合を防ぎやすくなります。
そこで今回は「本当に剥がれているのか」を丁寧に見極めたうえで、今後の安心につながるポイントを押さえて施工しました。





棟の頂部には換気棟が設置されており、周囲の棟板金と色味が異なって見える状態でした。
遠目では「板金が剥がれて浮いている」ように感じやすいポイントですが、全体として大きくめくれ上がっている様子は見受けられません。
こうした見た目の差は、部材の仕様や経年の色変化でも起こるため、まずは状況を落ち着いて切り分けることが大切です。
お客様にも、現状の見え方と実際の状態の違いをわかりやすく共有しました。
棟板金の継ぎ目はラインが出やすく、雨風の影響を受けやすい場所でもあります。
表面には雨だれの跡が見られ、経年による汚れの付着が進んでいる印象でした。
棟は屋根面の中でも風圧を受けやすい為、固定の緩みがあるとガタつきや浮きの原因になります。
今回は「剥がれ」そのものより、将来の不具合につながる要素がないかを意識して確認を進めています。
屋根材はスレートで、表面には苔(コケ)や藻の付着、色褪せが広い範囲で確認できました。
スレートはセメントを主成分とするため、塗膜が劣化すると防水性が落ち、汚れが定着しやすくなります。
苔が増えると乾きにくい状態が続き、屋根材の傷みが進行するきっかけにもなり得ます。
雨漏りが起きていない段階で手を入れることが、結果的に負担を小さくする近道になります。
施工は安全確保を優先し、足場を設置したうえで棟まわりの作業に着手しました。
屋根上は勾配があり、工具や材料の置き方ひとつでも作業性が変わるため、職人が動線を整えながら進めていくのが印象的でした。
棟の部材は必要な範囲で撤去し、下地を点検できる状態へ整えていきます。
見えない部分を確認できるようになることで、補修の精度が上がります。
換気棟は通気のための開口を持つ分、納まりを誤ると雨水が入り込むリスクがあります。
そこで、内部に水が回り込まないよう換気棟用の内側水切り部材を取り付け、雨仕舞を強化しました。
見た目だけを整えるのではなく、構造に合わせて「水の通り道」を先回りして塞ぐのがポイントです。
こうした一手間があると、お客様も「見えないところまで配慮してもらえた」と安心につながります。
周囲の棟板金は交換を行い、下地にはプラスチック樹脂製の貫板を使用しました。
木材に比べて水分の影響を受けにくい素材のため、経年での痩せや腐食リスクを抑えやすくなります。
板金を固定した後は、重ね部やケラバとの取り合いなど雨水が入り込みやすい箇所をシーリング処理で丁寧に仕上げました。
棟がしっかりと通った姿になると、屋根全体が引き締まって見え、施工後の安心感も増していきます。
下塗りには、ファイン浸透シーラーを採用し、屋根材に浸透させるように塗布しました。
透明系の下塗り材の為、塗った直後は屋根が少し湿ったような印象に見えますが、これは塗膜がしっかり下地を捉えているサインでもあります。
下塗りは、仕上げ塗料の密着性を高め、ムラを抑える役割を担います。
職人が塗り残しの出やすい端部まで意識して手を入れていくことで、仕上がりの安定感が変わってきます。
仕上げはファインパーフェクトベストを用い、中塗り・上塗りの二層で塗膜に厚みを持たせました。
色はミラノグリーンで、屋根全体の印象が明るく整い、住まいの表情もぐっと引き締まります。
塗り重ねのタイミングやローラー運びは、艶ムラの出やすさに直結するため、効率良く塗り進めるのが職人の腕の見せどころです。
棟の黒い板金とのコントラストも映え、仕上がりを見たお客様にも変化が伝わりやすい外観となりました。
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