工事のきっかけ

　流山市向小金にて行わせていただきました今回の工事のきっかけは、2階部分からの雨漏りでした。

　雨漏りにお困りとのご相談を受けましたので原因の調査をしてみたところ、お客様邸の瓦屋根では防水機能の要であるルーフィング（防水紙）が劣化して切れている状態となっていることがわかりました。

　今回は雨漏り原因の解消として瓦屋根の部分葺き直し工事と、漆喰の劣化が見られた棟取り直し工事を行わせていただく流れとなりました(^▽^)/

　では、雨漏り原因調査やそれぞれの工事の理由などを始め、施工の様子を詳細にご紹介いたします。

流山市屋根葺き直し,棟瓦取り直し

ビフォーアフター

工事基本情報

施工内容: 屋根葺き直し,棟瓦取り直し

施工期間: 4日間

使用材料: 軽量シルガード

築年数: 25年

まずは雨漏りの原因調査を行います

　2階部分のお部屋の天井から雨漏りが発生しておりましたので、まずは屋根裏に入らせていただき調査を行ってみました。

　すると天井材やその上の野地板（屋根の下葺き材）に雨染みを発見。
　
　雨漏りしているので天井材が濡れているのは当然ですが、屋根裏の天井に当たる野地板に染みができているという事は、屋根から雨水が浸入してきていることがわかります(-_-；　

　雨漏りは外壁の亀裂や窓サッシの隙間、そしてベランダの防水層の劣化など様々な要因が考えられますが、今回は野地板の染みによって屋根に何かしらの問題が発生していることが確定できました。

ルーフィングの劣化

　瓦屋根に梯子を掛けて上らせていただき、引き続き雨漏り原因を探っていきます。

　瓦屋根の大きなメリットとしては、屋根材を簡単に外して下地の状態を確認できる点です(*^^)v　
　
　先ほど雨染みが確認できた場所の上部に当たる瓦をめくってみると、雨水を遮断するためのルーフィングが破けていることを発見いたしました！

　今回の雨漏りは、こちらの破けたルーフィングの穴から雨水が屋根裏へと浸入していることが原因でした。

棟にも雨漏りの原因になり得る劣化を発見

　棟部分の漆喰が経年劣化によって剥がれてしまっていました。

　内側の葺き土が露出してしまっている状態です。

　漆喰が失われた箇所からは雨水が入り込むようになり、それを受け止めるルーフィングが傷みやすくなります。
　先程の雨漏り原因のように劣化して破けてしまったりするため、棟部分の漆喰にも対策が必要な状態でした。

屋根の部分葺き直しと棟取り直し工事をご提案

　今回必要な工事は2つ、「部分葺き直し工事」と「棟取り直し工事」です。

　雨漏り原因となっているルーフィングに対しては、屋根葺き直しで対応します。

　屋根葺き直しは屋根材の付け外しが可能な瓦屋根だからこそ行えるメンテナンスで、今回は雨漏りが発生していた箇所の位置する屋根面を部分的に葺き直します。
　
　瓦を維持しつつルーフィングを新しくすることができるため、雨漏りの解消に繋がります。

　また、漆喰の剥がれに対しては棟取り直し工事を行い、状態をリセットすることで今後の雨漏りや棟瓦の崩れを防ぎます。

瓦屋根の部分的な葺き直し工事

瓦を一度外します

　施工を行う箇所に葺かれている瓦を一度撤去します。
　
　最後にまた葺き直しますので、施工を行わない範囲の屋根上で保管をしておきます。
　部分葺き替えでは外した瓦を屋根から降ろさずに済みますので、作業負担も減らせます。

　新しいルーフィングを敷くために、瓦を引っ掛けている桟木も外します。

新しいルーフィングの敷設

　今回は新しいルーフィングとして「カッパルーフ」を使用しました。
　
　カッパルーフは耐久性が高い改質アスファルトルーフィングに属する製品です(^▽^)/
　
　軒先から重ねるようにして敷いていき、ルーフィングを留めるためのホッチキス（タッカー）でしっかりと固定します。
　
　下から敷いていくことで重ねしろは上側のルーフィングが被さるようになり、頂上から伝って来た雨水が隙間から下層へ浸入することが無くなります。
　
　また、タッカーによって穴が開きますが、心配はいりません。
　改質アスファルトルーフィングは染み込んでいるアスファルトが溶けて穴を塞ぐため、タッカー部分の止水性もばっちりです(*^^)v

除けていた瓦を戻します

　ルーフィングに新しい桟木を取り付け、そこへ瓦を並べ直せば葺き直しは完了です！
　
　雨漏り調査の段階でもご説明しましたが、瓦屋根の大きなメリットがこの屋根材の脱着の容易さです。
　
　他の屋根材、例えばスレートや金属屋根では釘による固定が行われますので、今回のようにルーフィングだけを新しくするといった施工が不可能となります。

　スレートを屋根から剥がす場合は傷ついたり割れてしまいます。

　瓦は60年以上使用し続けられる長寿命な屋根材ですので、こうして防水や屋根構成部分のメンテナンスを行っていくことで長期間使用し続けることができます！
　
　葺き直しでは瓦の処分なども必要ありませんので、葺き替えに比べるとかなりコストを節約することができます(^▽^)/

棟取り直し工事の様子

　葺き直し工事が完了しましたので、続いて棟部分の取り直し工事を進めていきます。

棟の解体

　劣化した漆喰を含め、棟瓦や葺き土を全て解体していきます。

土台の形成

　これまでは土が盛られていた土台部分を、漆喰を使って形成します。

　土から漆喰に変更することで重量を軽減することができます(^▽^)/

　また、使用している漆喰の「軽量シルガード」はシリコンや防水材も含まれているため、これまで以上に雨漏りに強い棟へと仕上げられます。

　上には樹脂製の貫板を敷き、この後設置していく棟瓦の固定に使用します。

棟瓦の設置

　貫板に合わせて漆喰を整え直し、これまで使用していた棟瓦を設置していきます。

　棟瓦はただ乗せるだけではなく、ビスを使って内側の貫板へ固定します。
　
　今回は錆びにくいステンレス製のSUSビスを使用し、釘穴から雨水が入り込まないようにパッキンも噛ませています(*^^)v　

瓦屋根の工事が全て完了！

　雨漏りの原因となっていたルーフィングと、今後雨水の浸入経路となる可能性が高かった棟部分の漆喰の問題を解消することができました！

　2つの工事を続けて行いましたが、瓦屋根の見た目はこれまでと同じに保つことができています。
　
　このように、長寿命な瓦屋根は適切なメンテナンスを繰り返していくことで維持していくことが可能です(^▽^)/
　
　今回は部分的なメンテナンスかつ瓦の廃材も出ませんでしたので、施工期間は4日で済ませることができました。
　
　私たち街の屋根やさんでは、このような瓦屋根のメンテナンス経験も豊富にありますので、ぜひ雨漏りや経年劣化にお悩みの際はご連絡ください！