住宅の基礎にひび割れ？放置NG！劣化症状と適切な補修方法を解説

住宅の「基礎」は、建物をしっかりと支える重要な部分です。
　しかし、長年の経年劣化や自然災害、施工不良などが原因で、基礎にひび割れが発生することがあります。
　基礎にひびが入ると、見た目以上に深刻なトラブルへとつながる可能性もあるため、早めの確認と対応が欠かせません。

　本記事では、住宅の基礎に現れるひび割れの種類や劣化症状、そして補修方法についてわかりやすく解説します。

基礎のひび割れの主な原因

基礎のひび割れは、さまざまな要因で発生します。
　主な原因は以下のとおりです。

乾燥収縮：コンクリートは乾燥と共に収縮する性質があり、施工後に表面に細かいひびが入ることがあります。
不同沈下：地盤が部分的に沈むことで基礎にストレスがかかり、ひび割れが生じます。
地震や振動：地震の揺れや交通・工事による振動もひび割れの原因になります。
凍害・気温差：寒冷地では凍結と融解の繰り返しにより、基礎が損傷を受けることがあります。

危険度の見分け方

基礎のひび割れには「構造上問題のないもの」と「早急な対処が必要なもの」があります。
　以下を参考にチェックしてみましょう。

幅0.3mm未満のヘアクラック

髪の毛ほどの細さのひび割れで、乾燥収縮が主な原因です。
　この程度であれば急を要する補修は不要ですが、防水性低下による雨水の侵入には注意が必要です。

幅0.3mm以上の構造クラック

このレベルのひび割れは構造的な問題がある可能性が高く、放置すると基礎の強度低下や雨水・白蟻の侵入に繋がります。
　早急な点検と補修が必要です。

斜めや階段状のひび割れ

特に危険度が高いのが、斜めまたは階段状のクラックです。
　不同沈下や基礎そのものの変形が疑われ、早急に専門業者による調査が求められます。

基礎の補修方法

ひび割れの程度や原因に応じて、適切な補修方法を選ぶことが大切です。

シーリング材による補修（軽度の場合）

細いヘアクラックには、弾性のあるシーリング材やコンクリート用補修材を充填して対処します。
　ホームセンターで手に入る市販品でDIYも可能ですが、外観や耐久性を重視するならプロへの依頼が安心です。

エポキシ樹脂注入工法（中度～重度の構造クラック）

エポキシ樹脂をクラック内部に注入し、内部から強度を回復させる補修法です。
　構造的な補強効果があるため、耐震性も向上します。
　施工には専門的な知識と技術が必要です。

アンダーピニング工法（不同沈下のある場合）

地盤沈下が原因でひびが入っている場合は、基礎そのものを持ち上げて支持力を回復させる必要があります。
　地盤補強を含む大掛かりな工事になります。

まとめ

基礎のひび割れは見逃されがちですが、建物全体の寿命や安全性に関わる重要なサインです。
　小さなひび割れでも、放置すると大きな損傷に発展する恐れがあります。
　定期的な点検を行い、異変を見つけたら早めに専門業者へ相談することをおすすめします。

　安心して住み続けるために、基礎の健康状態にも気を配りましょう。