千葉市稲毛区稲毛東で行った屋根調査の様子をご紹介します。築３２年の２階建ての住宅で屋根材は化粧スレートになります。「約１５年前に屋根塗装を行ったのですが、そろそろメンテナンス時期だと思い点検をお願いしたい。」と、お問い合わせをいただきました。屋根は日々、太陽光や紫外線、風雨や砂埃などの外的影響を受け徐々に劣化していきます。化粧スレートや棟板金などの建築資材は塗装で保護されておりますが、これら外的影響で塗膜が剥がれ防水性や耐久性が低下してしまい傷みが生じるのです。点検を始めると棟板金に錆が発生しているのを発見しました。錆びは進行すると穴開きの原因になり雨水が建物内部に浸入する事に繋がります。また、棟板金にゆがみが生じておりボールペンが入ってしまうほどの隙間ができています。風の影響を受けやすく飛散に繋がる事や、隙間から雨水が吹き込み防水紙の劣化を早めてしまいます。穴が開いても直ぐに雨漏りは発生しませんが、化粧スレートの下に敷設されている防水紙の劣化を早めてしまいますので交換が必要な状態です。

化粧スレートの傷み

約１５年前に屋根塗装を行ったという事ですが、塗膜が剥がれ防水性が低下しているので苔やカビが屋根全体に発生しています。特に日照時間が短く陽当たりが悪いと言われている北側に多く見られます。苔やカビの発生は化粧スレートが水分を含んでいる事を意味します。化粧スレートが水分を含んでしまうと膨張し、太陽熱や風により乾燥されると収縮する動きが生じ負荷が掛かります。塗装メンテナンスを行わずに長期間、負荷が掛かった状態ですと化粧スレートは負荷に耐えきれなくなり耐久性が低下するので、欠けや割れ、反りなどの不具合が生じてしまいますので、定期的にメンテナンスすることを心掛けてください。

上の写真を見ていただくと化粧スレートが重なる部分が縁切りされておらず塗装で埋まっているのが分かります。本来、屋根材と屋根材が重なる部分は湿気がこもらないようにしたり、雨水を排水する為に隙間を設けています。この隙間が埋められてしまうと湿気が原因で野地板が傷んだり、雨水が浸入した場合、外への逃げ道が無くなってしまうので建物内部へと雨水が浸入し、雨漏りの原因になってしまうのです。築年数が浅い場合は縁切りを行い、塗装メンテナンスで対応出来ますが、こちらのお客様邸は築年数が３２年という事、棟板金や化粧スレートに傷みが生じている事を考えると塗装メンテナンスでは今後安心して生活できません。防水紙の耐久性も２０年~３０年という事もあり交換時期になりますので屋根葺き替えのご提案をしました。