工事のきっかけ

　習志野市谷津で棟漆喰に剥がれている箇所が有るとのご相談を頂き、先ずは現地無料点検調査にお伺いさせて頂いた事が始まりです。

　年数的にも経過している状況ですので、ひどい状況ではありませんでしたが、汚れの付着、或いは剥がれや割れと言った症状が散見される状況でした。

　メンテナンス方法として、棟を解体し再構築する取り直し工事までは必要ないと判断し、今回はその手前の工事方法である漆喰に特化した棟漆喰の詰め直し工事をご提案させて頂き、施工を進めて行く事となりました。

習志野市漆喰詰め直し,漆喰工事

ビフォーアフター

工事基本情報

施工内容: 漆喰詰め直し,漆喰工事

施工期間: 3日間

使用材料: 詰め直し工事：漆喰材

築年数: 築造約30年

保証年数: お付け致しておりません

工事費用: 税込264,000円

棟漆喰の調査

　こちらが瓦屋根、棟漆喰の現地調査において確認させて頂いた現状となります。

　やはり年数的に経過している事からも色のくすみや汚れの付着が見られる状態です。

　しかしボロッと剥がれている状況では無い事からも、状態としては未だ維持されているとも言える現状です。

割れ症状が見られます

　部分的にこの様に割れてしまっている箇所が有り、特に鬼瓦の周りの部分は隙間からの水の浸入も想定されるので、手当をしておく必要性は有ります。

　その他にも同様に割れている箇所が有りましたので、このタイミングにおける漆喰全体のメンテナンスのご提案をさせて頂きました。

今回は棟漆喰の詰め直し工事で進めて参ります

　更にもう一つの方法として棟瓦を一旦解体し、再構築を行う棟そのものの取り直し工事も一つの方法となります。

　しかし、今回はその手前の施工法となる漆喰の詰め直し工事で進めて行く事となりました。

　こちらは既存の表面漆喰は全撤去して、新たな漆喰材に詰め直す工事方法となります。

既存漆喰の撤去

　既存漆喰の撤去作業風景がこちらです。

　金づちで打ち付けると簡単に剥がれてしまいます。

　そうすると棟の土台本体となる葺き土が見えてきますが、こちらは今回は触らずその表面に新しい漆喰材を塗り込んで行く事となります。

　既存の漆喰材は硬く塊となりますので、くれぐれも下に落とさないよう配慮が必要です。

　瓦専門の慣れた職人さんによる対応ですので、しっかりと気を付けながら作業して頂きました。

新しい漆喰材の準備

　撤去した廃材がこちらです。全体ですので結構な量が出ました。

　こちらの撤去した漆喰材や葺き土の一部は全廃棄となりますが、現在ではこの様な廃材の処分についても意外と費用が掛かってしまいます。

　そして新しい漆喰材の準備も万端です。

　塗り込み作業を行う前にこの漆喰材はしっかりと揉み込んでおく必要があります。

漆喰の塗り込み作業

　土台の表面に漆喰を塗り込んで参ります。

　鏝を活用して漆喰をしっかりと詰め込み、表面を均して仕上げていきます。

　棟の漆喰は両サイド有りますので、当然両側とも同様に塗り込んでいきます。

　順調に工事の方も進み、隅棟の漆喰作業の方も一区切りとなりました。

清掃と仕上げ

　大棟の鬼瓦は取り合い部を中心に漆喰材を塗り込み、隙間をきちんと埋めて参ります。

　一部シーリングで回す部分も有りますが、形を形成して見栄え良く仕上げを行わせて頂きました。

　この棟の工事の特徴の一つとして、とにかく廃材が多く発生致します。

　先程の論理で下に落とさない様に、都度都度清掃しながら作業を進めて行く事が重要です。

下屋根の壁際も施工

　大屋根の作業も終えて、最後に下屋根が有りますのでそちらの施工に移って参ります。

　下屋根は棟と共に壁際部分の処置が必要となります。

　作業は同じ手順で、既存を撤去して新たな漆喰材を塗り込んでいく事となります。

　下屋根の壁際も含めて全て漆喰詰め直してをさせて頂きました。

　部分的に瓦のズレ等も見受けられ、それらの調整も行って作業の方も終了となります。

漆喰詰め直し工事の完了

　無事漆喰詰め直し工事の方も完了となりました。

　黒漆喰で仕上げさせて頂きましたが、シックな引き締まった出来となった印象です。

　角度によってはグレーにも見えて既存瓦とのバランスも良く屋根全体が仕上がりました。

　私たち街の屋根やさんでは、古来から伝わる日本瓦専門の職人も多数抱えてご対応させて頂いております。

　尚、今回の漆喰の詰め直し施工は税込264,000円での施工となりました。

　瓦の風合いを大事にされたいお客様も、この棟のメンテナンスにつきましては定期的に必要となりますので、瓦工事の事でご相談事がございましたら、是非私たち街の屋根やさんにご一報頂ければ幸いです。