　コロニアル屋根は日本国内で広く使用されているスレート系の屋根材で、「施工性が高い」「コストを抑えられる」といった理由から、多くの戸建住宅に採用されています。

　しかし、屋根リフォームを検討される際には「どうすれば施工できるのか」「これまでの屋根勾配は影響するのか」など、気になるポイントも多いのではないでしょうか。

　ここではコロニアル屋根の代表的な施工方法についてご紹介していきます。

コロニアル施工方法について解説

葺き替えかカバー工法

　コロニアル屋根の施工には、大きく分けて「葺き替え工事」と「カバー工法」の2種類があります。

葺き替え工事について解説

　「葺き替え工事」は既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材に交換する方法です。

　この新しい屋根材をコロニアルにすることで施工することが可能となります。

　野地板といった重要な屋根下地の状態まで確認・補修ができるため、長期的に安心して住み続けたい方にはおすすめの工法です。

　ただし、撤去費用や廃材処分費がかかるため、費用はやや高くなる傾向があります。

　また、これまで金属屋根だったお住まいでは、より重量のあるコロニアルは耐震性などの観点から施工が難しい場合がございます。

カバー工法について解説

　一方、カバー工法（重ね葺き工法）は、既存の屋根の上に防水シートと新しい屋根材を重ねて施工する方法です。

　既存屋根を撤去しないため、葺き替えよりもある程度コストを抑えることができ、工期も短縮できます。

　ただし、屋根の重量が増すため、構造的に負担が少ない軽量屋根材（たとえばガルバリウム鋼板など）を使用するのが一般的です。

　コロニアルの上にコロニアルを重ねることもありますが、やはり耐震面や今後のメンテナンスコストなどを考慮すると、圧倒的に金属屋根材を被せる方がオススメです。

　なお、カバー工法が適用できるかどうかは、屋根や下地の劣化状態などによって判断されるため、事前の現地調査の段階で「難しい」と伝えられることもあります。

軒先から一枚一枚釘などで固定していく

　コロニアル屋根は、軒先（屋根の下端）から棟（てっぺん）に向かって、一枚ずつ順番に重ねながら固定していくのが基本的な施工方法です。

　具体的には、下葺き材（防水シート）を施工した上に、コロニアルの屋根材を一定の重なり幅を持たせながら、釘などでしっかりと固定していきます。

　これにより、美しい仕上がりを実現することが可能になります。

屋根勾配は関係ある？

　一般的にコロニアル屋根は3寸（約16.7度）以上の勾配が必要とされています。

　緩すぎる勾配では雨水の排水性が悪くなり、漏水や施工不良のリスクが高まるためです。

　3寸未満の屋根には別の屋根材、たとえば1寸勾配以上で対応可能な縦葺き金属屋根などを検討する必要があります。

　そのため、リフォームの際には既存屋根の勾配や下地の状況をしっかりと確認したうえで、最適な施工方法を選ぶことがとても重要です！