　瓦屋根は日本の伝統的な屋根材であり、なんと言っても高い耐久性が特徴です。

　しかし、従来の工法では漆喰や土を用いて棟瓦を固定していましたが、経年劣化によって崩れや剥がれが発生するため、定期的なメンテナンスも欠かせません。

　そんなメンテナンスのタイミングで注目したいのが、今回ご紹介する「乾式工法」です。
　本記事では乾式工法の特徴や移行するための棟取り直し工事について詳しく解説します。

棟の乾式工法とは

　瓦屋根の棟部分は屋根の頂部に瓦を積み重ねる構造になっています。

　スレートや金属屋根の頂部には金属の板金（棟板金）が取り付けられていますが、瓦屋根は瓦を積み重ねているのです。

　棟に使用されている漆喰は時間の経過とともに劣化し、棟瓦が不安定になりやすくなります。

　漆喰が剥がれた箇所からは雨水が浸入し、雨漏りや土台の土が流出する原因となっていました。

　そのため、漆喰や土を使わずに棟を形成する工法として乾式工法が取り入れられるようになってきているのです。
　乾式工法では金具やビスを用いて棟瓦を固定します。

　下地部分を防水シートのような役割を持つ乾式面戸シートを施工することにより、雨水の浸入を防ぐことで防水性や耐久性を高める仕組みとなっています。

乾式工法のメリット

　乾式工法の大きなメリットとして、まず耐震性が向上する点が挙げられます。

　漆喰や土を使用しないため屋根の軽量化につながり、地震時の負担が軽減されるのです。

　また、施工時間も漆喰を使う方法と比べてかなり短縮できます。
　工期が短くなるのは嬉しいポイントですね。

乾式工法への移行なら棟取り直し工事

　漆喰や土を使った湿式工法で施工されている瓦屋根の棟を乾式工法に変更する場合、「棟取り直し工事」を行います。

　棟取り直し工事では既存の棟瓦や葺き土を一度撤去し、新しい貫板や固定金具を用いて乾式工法で再施工します。

　瓦屋根の棟部分は屋根全体の耐久性や防水性を左右する重要な箇所です。

　もし漆喰の傷みが見られる場合には、乾式工法への移行を検討していなくともメンテナンスを進めるなど、早めに対策を行って雨漏りを防ぐようにしましょう！