長く暮らしてきた住まいの屋根に、割れや雨漏りといったトラブルが見られるようになると「葺き替え」を検討する方が増えてきます。

屋根をまるごとリフレッシュできる工事ですが、どんな時に必要で、どのくらいの費用がかかるのか気になる方も多いでしょう。

この記事では、葺き替えの判断ポイントやメリット、費用相場についてやさしくご紹介します。

葺き替えが必要な屋根の状態とは？

屋根リフォームの中でも大掛かりな工事となる「葺き替え」。

すべての屋根で必要になるわけではありませんが、一定の状態を迎えた屋根には適した選択肢です。

屋根材自体の劣化が著しい

まず挙げられるのが屋根材そのものの劣化が著しいケースです。

スレート、金属屋根などの素材は長年の風雨や紫外線にさらされることで、割れ・欠け・サビといったトラブルを抱えます。

塗装や部分補修では対応しきれないほど傷みが進んでいる場合、リフォームによって新しい屋根に取り替える必要があります。

下地材（特に野地板）が寿命を迎えている

次に重要なのが下地材（特に野地板）の寿命です。

屋根材の下には防水シートや野地板が敷かれていますが、これらは屋根全体の耐久性を支える大切な部分。

雨漏りが発生していたり、野地板が腐食していたりすると、表面だけの補修では根本的な解決になりません。

こうした場合にも葺き替えが必要となります。

特に野地板が傷んでいると、もう一つのリフォーム手段であるカバー工法は行えないため、葺き替えが必要となってくるのです。

葺き替え工事のメリット

葺き替え工事は費用も工期も大きくかかる工事ですが、それに見合うだけのメリットがあります。

第一に屋根全体を新品にできるため、住まいの寿命を大きく延ばせる点です。

屋根材と下地をすべて刷新することで、長期的に安心して暮らすことができます。

部分的な補修や塗装では得られない耐久性が魅力です。

第二に最新の屋根材へ交換できるという点も大きな利点です。

軽量で耐震性に優れた金属屋根や、遮熱・断熱性能を備えた屋根材など、住宅性能を高める選択肢が増えています。

特に地震の多い日本では、重い瓦屋根から軽い屋根材へ葺き替えることで、建物への負担を軽減できる効果も期待できます。

さらに雨漏りや結露の根本的な原因を解決できることも大きなメリットです。

屋根下地を含めてリフレッシュするため、補修工事では止まらなかった水の浸入も改善できる可能性があります。

街の屋根やさんでの葺き替え工事の費用相場

気になる葺き替え工事の費用相場ですが、屋根材の種類や建物の規模によって幅があります。

一般的なスレート屋根を新しいスレート材に葺き替える場合は100万円前後からが目安となり、瓦から金属屋根に葺き替える場合などは150万～200万円以上かかることもあります。

また、足場の設置費用や廃材処分費なども必要になるため、見積もりの内訳をきちんと確認することが大切です。