屋根の頂上部分に取り付けられている「棟板金（むねばんきん）」は、屋根の傾斜がぶつかる部分を覆い、雨水の浸入を防ぐために設けられている重要な部材です。

しかし、普段目にすることが少ない屋根上の問題は見落とされがちであるため、気づかないうちに棟板金のトラブルが進行してしまうケースも少なくありません。

棟板金交換の必要性とは

棟板金は雨漏り原因箇所になりやすい

棟板金の内部には「貫板（ぬきいた）」という下地材があり、これに板金を固定することで棟の保護を担っています。

しかし、貫板が経年劣化や雨水による腐食で傷むと、棟板金の固定力が弱まり、浮き上がった大きな隙間から雨水が浸入しやすくなり、間接的な雨漏りの原因へと繋がってしまいます。

実際に、「天井にシミが…」といった雨漏りの症状から調査を行ったところ、棟板金の浮きや破損が原因で雨水が浸入し、付近の防水シートを傷めていたという事例もあるため注意が必要なのです。

固定力が弱いと飛散する恐れも

また、棟板金がしっかり固定されていない状態では、強風や台風の際に板金そのものが飛散してしまうこともあります。

飛んでしまった棟板金がご近所のお宅や車、通行人に被害を与えるリスクもあるため、劣化やぐらつきが見られる際は、早めの交換を検討することが大切です。

棟板金の交換工事の判断と費用

台風シーズン前の点検を受けてみましょう！

棟板金の不具合は放置すると雨漏りや構造材の腐食を引き起こしますので、特に台風や強風が多くなる前の時期に点検を受けておくことがオススメです。

屋根の上は目視が難しいため、プロによる点検で細かな浮きやサビも見逃さず確認できます。

点検は多くの業者で無料で行っているケースもありますので、気軽に相談してみましょう。

突然の訪問による指摘は注意を

「お宅の屋根が浮いていますよ」といった突然の訪問営業を受けた経験はありませんか？

実際に劣化していることもありますが、中には不安を煽って不要な工事を勧める悪質な業者も存在しており、消費者庁の注意喚起などもされています。

点検や修理を依頼する際は信頼できる業者に依頼し、写真付きの報告や複数社からの見積もりを比較することが安心です。

棟板金交換の費用相場

棟板金の交換費用は、屋根の形状や棟の長さにもよりますが、一般的な住宅で税込154,000円～275,000円が相場です。

・既存の棟板金の撤去
・新しい貫板と板金の設置
・シーリング処理など

これらを含んだ価格となっており、部分的な交換であれば費用を抑えることも可能です。
大がかりな足場の設置が必要な場合には、別途足場費用が加算されることもありますので、見積もり時にはしっかりと確認しましょう。

また、新しい貫板は樹脂製の物へ交換することで防水性がぐっと高まります。

まとめ

棟板金は普段見えにくい場所にあるため、不具合に気づくのが遅れがちですが、雨漏りや飛散など深刻なトラブルに繋がることもある重要な部材です。

点検やメンテナンスを定期的に行い、必要に応じて早めの交換を検討しましょう。

私たち街の屋根やさんでは点検から交換工事まで一貫して対応しておりますので、お気軽にご相談ください。