棟板金は「近所で工事をしている職人らしき人から浮いていると言われた」などの指摘を受けやすい屋根の部位なのですが、それまではあまりメンテナンスを意識したことがないという方も多くいらっしゃいます。

今回は棟板金の基礎情報に加え、メンテナンスの方法やなぜ指摘を受けることが多いのか解説していきたいと思います(^▽^)/

棟板金とは

屋根の頂上部分をカバーしている金属製の部材を「棟板金（むねばんきん）」といいます。

屋根材の最も高い位置で、屋根面が合わさる棟（むね）に取り付けられ、雨水の浸入を防ぐ大切な役割を担っています(*^^)v

瓦屋根は棟瓦を積んでいますが、棟板金と似た役割を果たしています。

棟板金の注意ポイント！

一般的な住宅では、軽量で耐久性の高いガルバリウム鋼板などが使用されることが多く、板金自体は丈夫です。

ただ、板金を固定している釘やビスに問題が発生すると、強風時に飛散する可能性があるため要注意です。

また、不具合が生じていた場合には雨水の浸入箇所になりやすいのも棟板金ですので、必要に応じて交換を行うといったメンテナンスが重要になってきます。

棟板金を交換する理由

棟板金は常に風雨や紫外線にさらされているため、経年劣化によって不具合が生じやすい部分でもあります。

特に以下のような症状が見られる場合、交換が必要です。

・釘の浮きや抜け
・板金自体の浮きや歪み
・継ぎ目のシーリング材の劣化
・サビや穴あき

これらを放置すると、棟板金の隙間から雨水が入り込み、棟板金内部の木材（貫板）や下地が腐食してしまいます。

最悪の場合は雨漏りにつながるため、早めの修理・交換が重要です。

また、強風時に棟板金が剥がれてしまうと、周囲に飛散して二次被害を招く恐れもあるため注意が必要です。

交換工事では、木材の貫板ではなく樹脂製のものへチェンジすることで、棟板金の固定力の大幅アップを図ることがオススメです。

これは棟板金単体の交換工事だけではなく、例えば金属屋根へのリフォーム時にも樹脂製貫板を使用することで防水性や耐久性の向上に繋がります。

どうして棟板金の浮きは指摘を受けやすいのか？

屋根の棟板金は、外からも比較的目につきやすいため、訪問業者などから「棟板金が浮いていますよ」と指摘されることが多い箇所です。

ただし、そのすべてが正確な指摘とは限りません(-_-；

悪徳業者に要注意

中には、実際には問題がないにもかかわらず、不安をあおって不要な工事をすすめる悪徳業者も存在します。

例えば、わずかな釘の浮きや経年によるわずかな隙間を大げさに説明し、高額な契約を迫るケースが報告されています。

また、非常に悪質な事例として、屋根に上ってお客様の目の届かないところで板金を故意に浮かせたりし、「今後の台風時に飛散するかもしれない」などの不安を煽るかたちで契約をしようとする業者もいます。

棟板金は適切な時期にメンテナンスすれば長持ちしますので、焦って契約せず、まずは信頼できる専門業者に診断してもらいましょう。

実際に私たち街の屋根やさんでも、棟板金の浮きを指摘されたという屋根へ診断に伺うと実際には何の問題もなかったことが少なくありません(-_-；

それほど棟板金の指摘には慎重になった方が良いのです。