瓦屋根は耐久性が高く、適切にメンテナンスを行えば50年以上持つこともあります。
しかし、築20～30年を超えると漆喰の崩れや瓦のズレ、防水紙の劣化などが原因で雨漏りが発生しやすくなります。

雨漏りを放置すると、家全体の劣化を早めてしまうため、定期的な点検とメンテナンスが重要です。
この記事では、瓦屋根の雨漏りが起こりやすい年数や主な原因、そして効果的な予防方法について詳しく解説します。

瓦屋根の寿命と雨漏りが発生しやすい時期

瓦そのものは非常に耐久性が高く、粘土瓦なら50年以上の耐用年数があります。
しかし、屋根全体の耐久性を左右するのは瓦だけではありません。
防水紙や漆喰、下地材などが劣化すると雨漏りが発生しやすくなります。

雨漏りが起こりやすくなる築年数の目安

築20年～30年：漆喰が崩れ始め、瓦のズレや隙間が生じる
築30年～40年：防水紙が劣化し、雨水の侵入が始まる
築40年以上：瓦自体の耐久性が限界に近づき、全体的なリフォームが必要になることが多い

築年数が20年を超えたら、定期的に屋根点検を行い、必要な補修をしていくことが大切です。

瓦屋根の雨漏りの主な原因

瓦屋根の雨漏りは、主に以下のような原因で発生します。

(1) 漆喰の劣化
瓦を固定し、防水の役割を果たしている漆喰は、風雨や紫外線の影響で少しずつ崩れていきます。漆喰が剥がれると、瓦がズレたり隙間ができたりして、雨水が侵入しやすくなります。

(2) 瓦のズレ・割れ
地震や台風の影響で瓦がズレたり、飛来物によって割れることがあります。特に強風や大雨の後は瓦の状態をチェックすることが大切です。

(3) 防水紙の劣化
瓦の下には防水紙（ルーフィング）が敷かれていますが、これは30年前後で劣化します。防水紙が劣化すると、瓦の隙間から入った雨水が直接屋根の下地に染み込むため、雨漏りのリスクが高まります。

(4) 棟部分の劣化
瓦屋根の頂上にある「棟瓦」を支える漆喰や土台が崩れると、そこから雨水が浸入することがあります。棟部分は屋根の中でも特に雨漏りしやすい箇所の一つです。

瓦屋根の雨漏りを予防する方法

雨漏りを防ぐためには、次のような対策を行うことが重要です。

(1) 定期的な点検・メンテナンス
築10年を過ぎたら、少なくとも5年に1回は専門業者による点検を受けることをおすすめします。漆喰の剥がれや瓦のズレを早期に発見すれば、大がかりな補修を避けることができます。

(2) 漆喰の補修
漆喰が劣化すると瓦の固定力が弱まり、雨漏りの原因になります。古い漆喰を剥がして新しい漆喰を塗り直す「漆喰詰め直し工事」を行うことで、屋根の防水性能を回復させられます。

(3) 瓦のズレ・割れを修復
ズレた瓦を元に戻したり、割れた瓦を交換することで、雨水の侵入を防ぐことができます。特に台風や大雨の後は、目視で瓦の状態をチェックするのがおすすめです。

(4) 防水紙の張り替え
築30年以上経過している場合、防水紙が劣化している可能性が高いです。屋根の葺き替えやカバー工法によって、防水紙を新しいものに交換することで、雨漏りのリスクを大幅に低減できます。

(5) 棟瓦の補修
棟瓦の内部の漆喰や土台が劣化すると、雨漏りが発生しやすくなります。棟瓦の積み直しや補修を行うことで、耐久性を回復できます。

まとめ

瓦屋根は耐久性が高いものの、築20～30年を過ぎると漆喰の劣化や瓦のズレ、防水紙の老朽化によって雨漏りのリスクが高まります。特に、定期的な点検と適切なメンテナンスが雨漏り防止のカギです。

「最近、天井に雨染みができている」「屋根からポタポタ音がする」などの症状がある場合は、すぐに専門業者に相談しましょう。早めの対策が、家の長寿命化につながります。

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