- HOME
- 現場ブログ
- 瓦屋根の施工方法は変化している?軽量化や台風・地震への耐性強化について
瓦屋根の施工方法は変化している?軽量化や台風・地震への耐性強化について
日本の伝統的な屋根という印象の強い「瓦屋根」。
見た目こそ変わりはないように見えますが、施工方法については時代の流れや重要視されるポイントに合わせて変化してきているんです(^▽^)/
今回はそんな変化の流れを見つつ、瓦屋根の軽量化や地震・耐風への対策強化について解説をしたいと思います。
かなり以前の話ですが、
昭和初期頃まで瓦屋根は非常に重い土葺き工法で施工されていました。
屋根一面に粘土のある土を敷き、そこへ瓦を載せることによって屋根材の固定を果たしていた
「土葺き工法」。
土の重量に加え、瓦自体も屋根材の中では最も重いため、土葺きによる瓦屋根は非常に重いものとなっていました。
当時は耐震性といった意識が薄く、重い瓦屋根が自重で土にしっかりと固定されることからこの方式が取られていたようです。
土葺き工法がだんだんと減っていったきっかけは、1923年の関東大震災とされています。 大地震で屋根の重さに耐えきれず倒壊した家屋が多かったため、
以降は土葺きではなく「引っ掛け桟葺き」へと移行していきました。
ただ、地震の少なかった関西地方では1995年の阪神淡路大震災時にも土葺き工法の屋根が多く残っていたりと、地域によっては古い建物で使用されている工法でもあります。
引っ掛け桟葺きは今でも使用されている工法で、土ではなく
桟木(さんぎ)と呼ばれる木材を並べ、そこへ瓦を引っ掛けるスタイルとなっています。
土葺き屋根に比べると引っ掛け桟葺きは重量が
約2/3程度に低減され、軽量化として大きな変化があったと言えますね(^▽^)/
▼施工方法の違いによる瓦屋根の重量・土葺き工法:約90㎏/㎡・引っ掛け桟葺き:約60㎏/㎡
土に乗せていた時に比べ、
瓦がずり下がることを防止できたり、屋根下地と瓦に隙間が生まれることで通気性の確保や空気層の断熱効果がもたらされ、軽量化以外にも様々な恩恵がありました(*^^)v
乾式工法とは、簡単にいうと「引っ掛け桟葺き」のように木材や金具のみで施工を行う方法の事を指します。
湿式工法も存在しており、こちらは「土葺き工法」のように漆喰や粘土といった水を含む部材による施工のことです。
イメージがしやすいかと思いますが、乾式工法の方が軽量な施工方法と言えます。
引っ掛け桟葺きへと移行した瓦屋根ですが、実は湿式工法のままの部分が存在していました。
それが瓦の棟部分です(^▽^)/
棟は土台に葺き土を使い、その上に棟瓦や熨斗瓦を積み上げて形成されていました。
また、雨水の浸入や葺き土の流出、棟部分の安定を果たすために漆喰が詰められていたため、棟瓦の施工に関しては依然として湿式工法が主流となっています。
ですが、こちらも近年では乾式工法による棟の形成が行われるようになってきました(*^^)v
棟部分の乾式工法は、これまで葺き土を使っていた土台を専用の金具と芯材に変更し、防水性のある
「乾式面戸シート」で覆うことにより漆喰も不要としている施工になります。
湿式工法よりも軽いことに加え、施工時間も約1/4に抑えられる点が優秀なメリットとされています。 こうして棟部分の乾式工法化を果たしたことにより、瓦屋根はさらなる軽量化を実現できたのです(*^^)v
引っ掛け桟葺きに移行したとしても、
台風で瓦が飛散してしまう事例が近年では多く報告されていましたので、固定方法の見直しが進められました。
結果として、
2022年からは新築の建物屋根では「ガイドライン工法」が義務化されています。
これまでは特定の瓦のみが釘による固定の対象でしたが、ガイドライン工法の義務化により全ての瓦屋根を緊結(釘等で固定)することとなりました。
強力な台風で飛ばされにくくなったことに加え、記憶に新しい2024年の能登半島地震ではガイドライン工法による瓦屋根の被害は確認されなかったため、確かな効果を証明しています。
まだ既存の瓦屋根の改修時にはガイドライン工法が義務化されてはいませんが、台風や地震による被害を最小限に抑えるための重要な取り組みとなっていますので、リフォーム時にはコストが上がったとしても検討していただきたい施工方法となっています。
施工方法だけではなく、瓦自体の重さの軽量化も進められています。
防災瓦の
「ROOGA(ルーガ)」などは軽量化と耐衝撃性を高めており、
陶器瓦の約半分以下の重さとなっているため、葺き替えた場合には大幅な耐震性向上が見込めます。 ただ、より軽量化による耐震性向上を目指すのであれば
オススメは金属屋根材です。
私たち街の屋根やさんは、瓦屋根のメンテナンスや施工に加え、金属屋根へのリフォームも数多くの経験があります。
担当するスタッフの経験則などからお客様にとって最適な施工方法をご提案していますので、瓦屋根の今後に迷ったりした場合にはお気軽にお声がけください(^▽^)/
8:30~20時まで受付中!
0120-990-366