北海道地震の建物被害は他地域のものに較べて少なかった!?


9月6日に北海道南西部地方を震源として発生した北海道胆振東部地震。日が経つに連れ、その全容が明らかになってきました。今回の地震では同程度の他の地域の地震と較べると、建物被害が圧倒的に少ないとされています。その理由は誰しも思いつくものだと思います。日本の積雪地帯の建物は屋根の上に雪が積もることを前提に堅牢に作られているからです。1㎥の雪は新雪で150kg、重みで固まると500kgを超える重さがあります。最近は溶雪や落雪システムを備えた家もありますが、雪が降らない地域より堅牢であることは間違いありません。
北海道時計台
一方通行で静的に力がかかる雪の重みと地震の揺れは大きく違います。しかし、雪の重みに耐えるならば必然的に柱も太くなりますし、筋交いや補強用の金具も多用されるでしょうから、地震に強くなる要素は複数あるわけです。地震とは関係ない話で北海道で瓦屋根の建物はほとんど存在しません。これは瓦が吸水率が高く、凍害で割れてしまうからです。今の技術なら需要があるかどうかは別として凍害を受けない瓦も作り出せるでしょう。
地震被害
屋根リフォームで地震対策、軽い金属屋根
『北海道では他の地域より地震の建物被害が少なかった』、『北海道には瓦屋根の建物がほぼない』、これらは事実です。『故に重い瓦屋根でなければ被害が激減する』と主張している人もいます。これも真実を含んでいますが、ちょっと飛躍しすぎではないでしょうか。街の屋根やさんも地震被害を防ぐために軽い屋根をお薦めしていますが、これは建物の造りが同じであるならば重い瓦より軽い金属屋根が有利ということであって、重い瓦屋根でも建物の造りを堅牢にすれば耐震性に難はなくなります。現在の建築技術であれば、震度7に耐え、しかも瓦が飛散しない建物など簡単に造れます。そのようなガイドラインに沿った工法も確立されています。単純に言うなら、瓦屋根であっても耐力壁や耐震性をアップする金物の数を軽い屋根のの建物の3~4割増しにすれば同じ耐震等級になるのです。こうした建物を実現しにくいのは単純にコストの問題の話なのです。建築基準法が改正されるにつれ、建物はどんどん堅牢になっています。改正前に建てられた古い家については屋根リフォームをするのだったら、軽い屋根の方が何かとリスクが減ります。コストの問題や耐震基準の話をしないで瓦屋根でなければ被害は激減するというのはちょっと無理がある話です。